【北乃大福 18年8ヶ月の生涯を終える】
2017年12月28日。北海道に冬の嵐が猛威を振るっていたこの日、当団種雄牛「北乃大福」号が老衰によりその生涯に幕を下ろしました。
長きに亘り活躍してくれた彼の蹄跡(あしあと)を少し辿ってみたいと思います。
北乃大福は平成11年に鳥取県鳥取市の田中牧場で誕生しました。岐阜の名牛「安福」を父に持ち、母の父は「谷美土井」という兵庫系の血統を凝縮し生産された種雄牛です。
枝肉成績では黒毛和種、交雑種共に田尻系らしい良質な脂肪交雑の遺伝力が評価され、各地区の共励会においても産子枝肉は数々の賞を獲得し、当団を代表する種雄牛としての地位を確立して参りました。
当団職員に北乃大福とのエピソードを尋ねると、
「ちょっと頑固でワガママなところがあったんだよね~」
と笑っていました。
特に台牛の好みに非常にうるさく、ヘレフォードは嫌だと駄々を捏ねるため、ホルスタインの若雄牛に乗駕するのが彼のスタイルになっていました。
また、彼が認めた人間にしか綱を牽かせようとしなかったりなど頑固者だった彼とのエピソードは尽きないようです。
そんな彼も昨年の夏以降は採精を中止し、静かに余生を過ごしておりましたが、2018年の始まりを前に北乃大福も次世代にバトンタッチをするように息を引き取りました。
長きに亘り、北乃大福をご愛顧いただき大変ありがとうござました。
彼の蹄跡(あしあと)を継いで活躍する当団種雄牛を今後とも宜しくお願いいたします。
(サイア2018年1月号 掲載予定記事引用)