放牧適性指標について
はじめに
現在、在群能力の推定育種価が家畜改良センターより公表されており、この評価値は3産までの各乳期を前・中・後期に分割した全9区分において検定牛が存在していたかを指標とし、算出されています。
一方、国内の飼養形態は、タイストール(繋ぎ)、フリーストール、放牧主体の大きく3種類に分けられますが、その頭数比はタイストール:約58%、フリーストール:約41%、放牧主体:約1%と大きく差があります。つまり、公表されている在群能力は主に飼養頭数の多いタイストール、フリーストールから得られたデータをもとにした評価値といえます。しかし、過去の研究から飼養形態によって最適な体型形質は異なることが報告されています。
放牧で発揮される在群能力へ
そこで、すでに報告されている放牧で在群能力が延長する体型形質の条件をもとに、以下の条件をクリアした種雄牛に「放牧推奨」マークを付与することとしました。これにより、放牧環境において在群能力を発揮する種雄牛を選択することができます。
条件
- 胸の幅 SBV -0.5以上~+1.5以下
- 肋の構造(鋭角性) SBV +1.0以下
- 乳房の懸垂 SBV -1.5以上~+0.5以下
- 乳量 EBV +500kg以上
上記4項目をクリアするもの
放牧推奨対象牛
放牧推奨の対象牛には種雄牛情報と2023年8月以降の当団種雄牛案内でマークを表示しています。ぜひご覧ください。
監修:帯広畜産大学 萩谷研究室
サイア秋号(Vol.462)に放牧推奨種雄牛について、帯広畜産大学 萩谷先生に寄稿いただきました。
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